白山市指定有形文化財[彫刻]

木造 阿弥陀如来立像


一躯
室町時代
像高80.5 頂〜顎14.8 髪際〜顎10.7 耳張10.7 面幅9.1 面奥11.1臂張26.0 
躰奥(腹部)15.0 袖張25.5 裾張19.4
村指定有形文化財 昭和63年4月7日指定
市指定有形文化財 平成17年2月1日
願慶寺 白山市吉野 タ25−1

願慶寺は、真宗大谷派に属し、開基を敬恵と伝える。元亀元年(1570)から天正8年(1580)の本願寺と織田信長との石山合戦に際し、本願寺の教如(1558〜1614)が数年間当寺に難を避けたと伝え、山内庄内総道場として中心的役割を果たした。本像は、檜材、寄木造、漆箔、白亳・玉眼嵌入。両肩から衲衣を着け、左手を下に垂れ、右手は屈臂して胸に挙げる。両手とも第一指・第二指を念じる印相を結び、直立する通例の来迎の阿弥陀如来像である。頭部の肉髻・地髪部の螺髪はともにやや大粒で、髪際中央を少し下げる。肉身部・衣部とも漆箔とし、面部は眼鼻だちが大きく、唇も厚く意志的で、強い顔だちの面貌を表わしている。腹部から股間へと少し乱れてはいるが、衣文はなだらかな弧線を描き、両大腿部の双曲線も美しい。いわゆる三尺の像で、作
振りは堂々とした趣を示している。